「土が固くて苗を植えられない…」
「どうやって土地を耕すの?」
畑をはじめる前に土づくりをしますが、何をしたら良いか分からないと、お悩みですね。
畑の土をそのまま使うと、固い土や石によって植物の成長が阻害されたり、栄養不足で収穫量が減少したりします。
そこで野菜を植える前に、土を改良して、植物が育ちやすい環境を整えてる必要があります。
今回は、野菜を植える前にやるべき土づくりの手順について、写真付きで分かりやすく解説します。
野菜を育てるために必要な準備が分かりますので、ぜひ参考にしてください。
まずは土づくりから!野菜を植える前にやるべき土の作り方
栄養が乏しくガチガチに固まった土では、野菜の育ちが悪くなるため、収穫量も減ってしまいます。
一方で、栄養が豊富でふかふかの土に植えると、根の張りが良くなり、収穫量も増えます。
そこでまずは、野菜が育ちやすい土づくりを行うことが重要です。
土づくりの手順は、以下の通りです。
【畑の土│作り方の手順】
- 雑草を抜く
- クワで耕しながら、石を取り除く
- 固まった土をほぐす
- 石灰(せっかい)を混ぜる
- 肥料(ひりょう)を混ぜる
- 堆肥(たいひ)を混ぜる
- 畝(うね)を作る
順に詳しく解説していきます。
手順1.雑草を抜く
まずは、畑に生えている雑草を抜きます。
雑草が生えていると、栄養を取られたり、害虫が増える原因になるため、きれいに取り除きましょう。
雑草を抜く際は手で行ってもOKですが、体の負担が大きく、時間もがかかってしまいます。
そこで活用したいのは、雑草を刈り取りやすいクワです。
私は、「手持ち用のカマ」と「刃先の丸い大きいクワ」の2種類の道具を使い分けています。
雑草の生えている面積が広い時は、写真右の刃先の丸いクワがおすすめです。
表面をなでるように刈るだけで、それほど大きな力を使わなくとも、楽に草が取れます。
草取りは定期的に行う必要があるため、草刈り用のクワを1つは用意しておくと良いでしょう。
手順2.クワで耕しながら、石を取り除く
野菜の苗を植える場所を決め、その場所の土を刃先の長いクワで、深さ20~30㎝にほっくり返します。
石が土の中にあると、その石を避けるように植物が育つため、根の成長が阻害されたり、土の中で育つ野菜の形が変形したりします。
たとえば、植物が十分に育たなかったり、ジャガイモの形が変形し、大根が割れたりするなどの現象が起きます。
クワが石に当たると、「カツン」や「キーン」といった鈍い音がします。
刃先が入り込まないほど固い何かに当たったら大抵は石なので、取り除くようにしてください。
手順3.固まった土をほぐす
土をさらに細かくしていきます。
ガチガチに固い土があると、石がそこにあるのと同じように、成長を阻害する原因になるためです。
手で細かくしてもOKですが、かなり時間がかかるのでおすすめしません。
おすすめは、クワの刃の長い面で土を叩いたり、軽く足で踏みながら土を崩すやり方です。
畑を何往復かして、土の固まりが細かくなるまで行いましょう。
手順4.石灰(せっかい)を混ぜる
「石灰(せっかい)」と呼ばれる、土をアルカリ性に傾ける成分を畑に混ぜます。
日本の畑は酸性雨によって酸性に傾きやすく、多くの野菜は酸性の土壌を嫌います。
石灰を混ぜる量は、植える野菜によって異なるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
インターネットで『トマト 育て方』などと検索すると、石灰の量が分かりますので、調べてみてください。
【注意】石灰の種類によっては、すぐに植えられないものもある
石灰には様々な種類があり、効果が強い成分ほど危険性が高く、苗をすぐに植えられないため、注意が必要です。
【石灰の種類と特徴】
効果 | 種類 | 特徴 |
---|---|---|
強 | 生石灰 | 反応が強く、水に触れると発熱するので、家庭菜園ではおすすめしない。 |
強 | 消石灰 | 生石灰に水を加えて消化したもの。目に入ると失明するなどの危険性が高いため、家庭菜園での使用はおすすめしない。 |
中 | 苦土石灰 | 苦土(マグネシウム)を含む成分。肥料と混ぜるとアンモニアガスが発生するため、撒くタイミングを1週間ほどあける必要がある。 |
弱 | 有機石灰 | 牡蠣殻や貝殻を砕いた成分。効果が穏やかなため、肥料と同時に使うことが可能で、植える直前でも使用できる。 |
弱 | もみ殻くん炭 | もみ殻をいぶして炭化させた成分。効果が穏やかなため、肥料と同時に使えるうえ、植える直前でも使用できる。 |
生石灰(せいせっかい)や、消石灰(しょうせっかい)は、発熱や失明などの危険性があるため、家庭菜園での使用はおすすめしません。
苦土石灰(くどせっかい)は、家庭菜園で使用されることが多いですが、肥料と混ぜるとアンモニアが発生するうえ、撒いた直後は苗を植えられないため、必ず使用方法を確認してください。

私がおすすめする石灰は、撒いた直後でも苗を植えることができ、他の石灰よりも安全性の高い「有機石灰」や「もみ殻くん炭」です。
有機石灰やもみ殻くん炭は、肥料と同時に使えるため、すぐに野菜を植えたい時にも有益です。
手順5.肥料(ひりょう)を混ぜる
肥料(ひりょう)は、野菜の育ちを良くするために必要な栄養成分です。
野菜によって必要とされる量が異なるため、あらかじめ調べておきましょう。
手順6.堆肥(たいひ)を混ぜる
堆肥(たいひ)は、土壌を改良し、土をふかふかにする役割があります。
固い土にふかふかの堆肥を混ぜることで、空気の層ができるため、水はけがよくなります。
また、酸素が土の中に含まれると、ミミズなどの土を作る主要な生物の活動が活発になるので、良い土へと改良されます。

もともとある土だけで野菜を作るよりも、堆肥を混ぜた土の方が、植物の成長が早いです。
「すでに土があるのに、土を足すのはもったいない…」と考えがちですが、堆肥を入れることで苗が成長し、収穫量が増えるため、混ぜることをおすすめします!
手順7.畝(うね)を作る
畝(うね)とは、水はけを良くするために、盛り上げた土のことを指します。
刃の長いクワを使い、土を中央に寄せるようにし、一列に盛り上げて作ります。
畝の幅や高さは、植える野菜によって異なるため、調べてから作業に取りかかるとスムーズです。
いつ混ぜたらいいの?石灰・堆肥・肥料を土に混ぜるタイミングについて
畑の土をつくるために、「石灰(せっかい」「堆肥(たいひ)」「肥料(ひりょう」を混ぜることをご紹介しました。
これらを混ぜるタイミングを決めるポイントは、以下の2つです。
- 「肥料」は植える1~2週間前に土に混ぜる
- 「石灰」の種類によっては、肥料と混ぜるとアンモニアガスが発生するため、1週間ほど間隔を空ける必要がある
より具体的に見ていきましょう。
質問形式で混ぜるタイミングを知ろう!
石灰の種類から、混ぜるタイミングを知ることが可能です。
そこで、質問形式で答えるだけで、混ぜるタイミングが分かるようにしました。
適切な回答を、AかBのなかから選んでみてください。
【質問】
A.石灰は、効果が穏やかな「有機石灰」や「もみ殻くん炭」などを使う。
B.石灰は、効果が強い「苦土石灰」などを使う。
↓
【Aの回答】
混ぜるタイミングは2つの方法が考えられます!
方法1.植え付け1週間前に肥料・堆肥・石灰をまとめて混ぜる。
方法2.植え付け1週間前に肥料・堆肥を混ぜ、植える直前に石灰を混ぜる。
すぐに植え付けられる「選択肢A」の石灰の場合、肥料と同時に使用できるため、全てを同時にブレンドして土に混ぜることが可能です。
また、すぐに使える石灰は、植える直前に使用してもOKです。
【Bの回答】
混ぜるタイミングは2つの方法が考えられます!
方法1.植え付け2週間前に石灰を混ぜ、植え付け1週間前に肥料と堆肥を混ぜる。
方法2.植え付け2週間前に肥料を混ぜ、植え付け1週間前に石灰と堆肥を混ぜる。
一方で、「選択B」の石灰は、肥料を撒く間隔を1週間ほど空ける必要があります。
この理由は、効果の強い石灰と肥料を同時に混ぜると、アンモニアガスが発生するためです。
石灰と肥料のどちらを先に混ぜるかは決まっていません。
商品の袋に記載されている使用上の注意をよく読み、順番を決めると良いでしょう。
まとめ
畑に野菜を植える前に、植物の成長を促す目的で土を整える必要があります。
土づくりの手順は、以下の通りです。
【畑の土をつくる手順】
- 雑草を抜く
- クワで耕しながら、石を取り除く
- 固まった土をほぐす
- 石灰(せっかい)を混ぜる
- 肥料(ひりょう)を混ぜる
- 堆肥(たいひ)を混ぜる
- 畝(うね)を作る
石灰・肥料・堆肥のそれぞれの効果や、土に混ぜるタイミングについても記事内で詳しくご紹介しました。
「畑を借りたけれど、何から始めればいいか分からない…」と悩む方が、この記事を通して解決策が見つかること願っています。